定期検診って何するの?
歯科医院に行くと治療が終わった後に定期検診の案内を受けたことはありますか?
実際、私も恥ずかしながら歯科医になるまで定期検診の重要性を理解していませんでした。
今回は定期検診で何をするのか、なぜ行かなければならないのか、どれくらいの間隔で行けばいいのかなどをお話ししていきます。
何をするの?
1,資料採得
口腔内の写真を撮り、担当の衛生士がプローブという道具を用いて、歯茎の検査をしたり、虫歯のチェックを行います。必要に応じてレントゲン撮影を行います。
2,歯ブラシ指導
歯科医院にくるのは数ヶ月に一度です。一番重要なのは毎日行うご自身の歯ブラシです。そのため歯ブラシの当て方や、フロスや歯間ブラシの使い方などをお伝えします。
3,クリーニング
歯ブラシでは取りきれない歯石を取り、専用の機械で歯面をツルツルに磨いていきます。
何で行く必要があるの?
1,虫歯の早期発見ができる
虫歯は痛いものと思ってる方が多いのですが決してそんなことはありません。初期の場合は痛みもないですし、神経を取らなくてはいけないような大きなものでも症状がないことも多いのです。そうするとなかなか自分で虫歯を見つけることはできません。歯医者に来ていただければ小さいものも見つけることができます。
虫歯の治療は、大きくなればなるほど、治療は複雑になります。小さい虫歯であれば1回で終わることもあります。反対に大きくなり、神経の治療まで必要になれば5回以上は通院が必要になることも多いです。さらに神経の治療は非常に複雑で保険を使った神経の治療の成功率は30~50%との報告があります。(東京医科歯科大学の調査結果)その後、被せ物もするので費用もかかります。
小さいうちに発見できれば、通院回数も少なく、成功率も高く、結果的に費用も抑えることができるのです。当然、削る量も少ないので、歯の寿命も長くなります。ここすごく重要です。
2,歯周病の早期発見ができる
歯周病も自覚症状の乏しい病気です。今度歯周病とはどんな病気か詳しくお話ししていきますが、症状もなく歯がグラグラになって来て、気づいた時には手遅れになり抜歯になってしまうこともあります。歯周病は歯を支えている骨を何年もかけて溶かして行く恐ろしい病気です。残念ながら溶けてしまった骨を回復することはできません。(症例によっては再生療法という治療があります)そのため骨が溶けてしまう前に、またはこれ以上進行させないように手を打つことが非常に重要なのです。
3,自分の歯を長持ちさせることができる
歯を失う原因の7割は虫歯と歯周病なのです。そのため虫歯と歯周病を防げれば自分の歯を守ることにつながるわけです。
4,自分の歯で食べる、噛めることで様々な病気の予防ができる
近年、歯周病が認知症や糖尿病、脳血管障害など様々な病気と密接に関わって来ていることがわかって来ています。歯を守ることでそのような病気のリスクを少しでも減らすことができるかもしれないのです。
どれくらいの間隔で行けばいいの?
定期検診の間隔は、患者さんの口腔内の状況によって我々の方からご提案させてもらっています。歯周病が進行しており、ご自身での歯ブラシだけではすぐ症状が出てしまう方には1ヶ月で、歯周病も虫歯も安定はしたがリスクの高い方は3ヶ月で、反対にセルフケアもしっかりされており、口腔内も問題ないかたは6ヶ月から1年でご提案させてもらっています。
面倒かもしれませんが、何か症状が出てからでは結果的に治療が長引くことが多いです。
髪の毛が伸びたら髪を切りに行くような感覚で、是非いらしてください!!